坂下地蔵
中央線の線路と隣り合うようにして赤い屋根の坂下地蔵堂があります。堂宇の中には本尊延命地蔵尊(日野市指定文化財)があります。
正徳3年(1713)、江戸小舟町の井田八左衛門が釈宗威菩提のために近郷の祈願者232人の協力を得て造ったものです。
宝輪形光背の付いた青銅の座像で、高さ120センチ、その姿は正面の格子窓から垣間見ることができます。
地蔵堂の前を通る旧甲州街道は中央線を踏切で渡り、さらに続く坂を八王子方面へと続いていました。この坂は江戸から割と平坦な道のりだった甲州街道が初めて大きな上り坂にさしかかるため「日野大坂」と呼ばれていました。
この坂の坂下にあることから坂下地蔵と呼ばれています。
また、ここは日野宿の西端にあたることから、西の地蔵とも呼ばれています。
堂の前方には、2体の大きな石地蔵と、6体の小地蔵がならんでおり、元文2年(1737)建立と記されています。
旅人などの休憩の場、時には宿泊の場となっていた創建時の堂宇は明治の末に焼失してしまいました。現在の堂宇は昭和7年(1932)に再建されたものです。
坂下地蔵堂今昔
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