日野宿に残る引札
引札とは…
現在でいう「広告チラシ」のようなものです。江戸時代から明治・大正にかけて広く用いられました。明治になると開店の挨拶や売り出しの時、また年末年始には商店が広告をかねたサービス品として「正月用引札」を現在の名入れカレンダーのように略歴を入れた「引札」を得意先に配布して人気を得ました。日野でも水車業(米穀販売業)をはじめとして、各商店が「引札」を年末・年始に配っていました。しかし、明治20年(1987)頃から約20年間が普及のピークで、大正以後は新聞広告や折込チラシが広まり、宣伝媒体としての地位を奪われ姿を消してしまいました。「引札」は日野宿に残された美術的にも資料的にも大変面白く興味深い貴重な史料です。
平成31年(2019)3月2日(土)に開催されたまち歩き会「日野宿㊙おひなさまめぐり」(第88弾)で、佐藤元雄家で保存されている引札を見せていただきました。