御大典(ごたいてん)
先帝の喪の明けた後に挙行された即位礼(御大礼)と、それに伴う一連の儀式を総称したものを御大典といいます。日野宿にも、大正と昭和の二代の天皇即位を祝っての御大典記念の写真が残されています。
大礼記念 1915
明治天皇が崩御され、明治45年(1912)7月30日に元号が大正に改元され、引き続き大正4年(1915)に大正天皇の即位を祝って、日野宿でも記念の行事が開催されました。
大正天皇の即位を祝う大礼に際した高齢者の記念写真。四列目中央に佐藤元雄氏の祖父大助氏とその左隣に天野清助氏。写真左手菊の花の右隣の佐藤仁氏など町の有力者とともに、左右の後方に幼い子がちゃっかりおさまっているのが面白いですね。
昭和の御大典
大正天皇の崩御をうけ、元号が昭和に改元されたのが昭和元年(1926)12月25日でした。それに引き続き、昭和天皇の即位を祝って日野宿でも盛大な祝賀行事が執り行われました。
【御大典奉祝記念写真 1928】
昭和天皇の御大典奉祝記念写真。中央に有山亮町長、その右斜め後ろに天野清助氏。1人おいて佐藤仁氏。さらに5人おいて志村吉三氏。その右隣りは石坂氏。後列左側から4人目に古谷剛次郎氏。有山亮氏の前の髭の老人は幕末に勝沼戦争に春日隊(日野農兵隊)の一員として出陣した和田堪兵衛氏。
【仲町消防団 1928】
昭和天皇の御大典奉祝の際の記念写真。写真右側に仲町が建てた御大典奉祝塔が写っています。仲町、下町、加組それぞれで建てた奉祝塔の写真が『目で見る日野一小』(開校120周年記念資料集)に掲載されています。後方は有山家(重世<しげよ>氏)。
最前列左端、椅子に腰かけているのが日野町消防組第4部組長、谷元吉(もときち)氏(谷享司氏の祖父)。谷家(現、享司氏)には現在も消防団旗が保存されているとのことです。隊旗の左2人目が天野万吉氏(天野魚店)。その左下が馬場収氏の父与四郎氏(国鉄職員)。
【加組青年 ‐ 御大典奉祝記念 1928】
昭和天皇の御大典奉祝記念で撮影された加組青年の記念写真。前列左側から5人目は安西清氏の父安西信氏。8番目は大野辰之助氏。後列左から4番目が松本保氏の叔父源一氏。写真右端は加組の楽隊。楽隊員にはクラリネットの真野嘉一氏、大野春一氏などがいたという。(松本保さん情報)
背景は甲州街道の北側で、左端に小嶋自動車部の名が見えます。また中央後方には井上家(二つ玉)、右手には八坂神社の樹木も見えます。
【御大典御嘉例による養老杯拝受高齢者写真 1929】
昭和天皇の御大典に際し、嘉例による養老杯を受けた高齢者の記念写真です。前列左から5人目が有山亮町長。その左が天野清助氏。有山町長の右斜め後ろは真野氏。後列左端には佐藤仁氏が見えます。