日野宿から消えた自治会館
今では各地域に地区センターが設置されていますが、以前は各自治会が自ら出資して会館を建設し、その後の保守管理も自らの手で行いながら自治会活動を進めきたそうです。
そうした歴史をもつ自治会のなかで、自治会活動の拠点として長らく利用されてきた仲町会館、北原自治会館、四谷自治会館などが相次いで姿を消しています。
なお、横町自治会は旧日野駅南踏切近くの坂下地蔵堂内に、また森町自治会も独自の自治会館を現在も有しています。
仲町会館
この会館は大昌寺から用地を借用し、自治会会員の寄付により建設されました。長年使用されてきましたが、年号が令和に改まってまもなく姿を消しました。
北原自治会館
北原自治会館は昭和7年(1932)3月に完成しました。初めは地蔵堂の並びにあったのですが、みのり幼稚園開園のため昭和40年(1965)に移転し、平成24年(2012)3月に土地返還のため取り壊されました。(北原とんがらし地蔵講講元松本保著『とんがらし地蔵建立二百五十年記念 北原村ととんがらし地蔵』平成29年2月刊より)
北原のとんがらし地蔵天道念仏は地蔵堂から地蔵尊をこの自治会館にお連れして行われていました。
四谷自治会館
自治会名は四谷自治会ですが、四ツ谷地区センターや四ツ谷立体などのように、四ツ谷というように「ツ」を入れて使われています。
四谷自治会館はかつて四谷阿弥陀堂があったところに建てられ、長らく自治会活動の拠点となっていましたが、平成5年(1993)に土地返還のため惜しまれつつ姿を消しました。
一方、それまで自治会館内で祀られていた、由緒ある虚空蔵菩薩、阿弥陀如来座像、阿弥陀如来立像の3体は日野宮神社へ遷座されました。
ところで、令和6年(2024)8月20日、四ツ谷睦囃子連に所属するTさんから、「平成4年(1992)7月23日、秋篠宮殿下(当時)が、うなぎ伝説に興味をもたれ、お忍びで四谷自治会館に見えられたことがあり、その時のスナップ写真がちょうど自治会館前で撮られもので、今、日野宮神社に遷座されている虚空蔵菩薩など三体の仏様のそばに展示されている。」との貴重な情報を寄せていただきました。
そういえば、まち歩き会で日野宮神社を訪ねたとき、解説して下さった小峯勉さんから見せていただいた記憶がよみがえりました。
残念ながらこの写真をここには掲載できませんが、このエピソードも四谷自治会館にまつわる歴史のひとつとして記録に留めたいと思います。
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